移住について思うこと

移住について思うこと

30歳までなら、大学進学や語学留学、ワーキングホリデーなどでドイツ移住に挑戦することも比較的実行しやすいですが、30歳を超えるともうほとんど現実的ではないというのが日本での一般的な考え方です。
日本の労働環境は世界的に有名な過酷さで、仕事のストレスと忙しさで、とても立ち止まってじっくり将来を考えたり移住について検討したりする余裕がないのが現状です。

それにもちろん、ドイツ移住が誰にでも向いているわけではなく、ドイツに移住さえすれば誰もが幸せになれるわけではありません。
それでも、もしドイツ移住が、可能か不可能かはいったん横に置いておいて、心に引っ掛かる、想像するとワクワクするのであれば、検討してみる価値はあります。何もせずにあきらめるよりは、最初の一歩は小さくても大丈夫です。
このブログでなくてもベルリンや移住のことについて興味があることを調べてみるとかでも十分です。本当にベルリン移住に縁があるなら、そのあとの行動は自然とついてきます。

でも移住は簡単ではありません。特に日本人にとっては言葉の大きな壁がありますし、日本の社会常識とか周りに何と言われるかとか移住を決断するまでに今までの日本的な常識を超えること自体がまず大きな壁で難しいと思います。
これについては私も経験したことなので何かアドバイスができるかもしれません。

また移住を考える上で強調しておきたいのは、いろいろとこのブログでもドイツ社会の素晴らしい点をあげていますが、だからといって移住さえすればすぐ楽な人生が手に入るわけではないということです。
そもそも生きている限りは問題が起こるので、生きている以上どんな生き方をしても、ただ楽な人生はあり得ません。異なる言葉と文化に適応するというのは大変な苦労です。
でも苦労の質は全く違います。どうせ同じ苦労をするのなら、目を伏せて望まぬ人生を我慢する苦労より、目を上げて望む人生に向かって成長しながら進む苦労の方が精神的に健全でストレスもずっと少なく幸せを感じやすいと言えます。

実際に移住すれば即、衣食住のレベルが上がり、個人の自由と幸せを尊重し、それを社会全体で守る生活環境や社会制度などが手に入ります。
それだけでも素晴らしいことですが、さらに「言葉や文化の壁を越えて社会の一員となれればドイツは天国だ」と話す日本の方もいます。そうなれば日本人であることそのものがドイツ社会では強い個性であり、大きな武器にもなり得ます。
理不尽な政治や行政、社会システムから日々の暮らしで知らず知らずのうちに受けるストレスもドイツではかなり少なくて済みます。

そしてもう一つ移住を考える上で強調したいのは、日本の常識は決して世界の常識ではないということです。例えば、私は語学学校には若者しかいなくて日本人の50歳のおじさんが行くと学校で浮いてしまうのではないかと心配していました。
ドイツでは大学が無料ですが、ということは何歳になっても学びなおしや別の人生へのチャレンジへの道が開かれているということで、そのような挑戦を評価し応援するのがドイツでの社会の常識だということです。私も最初の一年間は語学留学でしたが、クラスには世界中から集まった生徒のうち、30代以上の生徒が3割程度いて、40代、50代以上の生徒も1割はいるので、若い同級生からは、むしろリスペクトされ好意的に自然に受け入れられて、コロナ下で制約はありましたが楽しく学ぶことができました(これにはアジア人は若く見られるという利点のおかげもあります)。

 また、移住は現状からの逃げであり周りにも迷惑がかかるというのもあるでしょう。
みんな頑張っているのに自分だけずるい、常識外れだとか。
でも自分の望む人生や幸せに前向きにチャレンジするためであればずるくても問題ありません。むしろ自分が幸せでないために周りに放つ不機嫌さとか、あきらめとか、元気のなさとか、そういうものが周りに与える影響の方が大迷惑です。


不機嫌は周りに波及するし、そんな大人があまりに多いと、子供には自分も将来ああなるのかと未来への失望感を与えます。それは社会全体の閉そく感となって現れます。
できれば顔を上げて望む人生のためにチャレンジしている姿を見せられる大人が増えた方が、それによって心が満たされて周りに感謝できる余裕がある大人が増えた方が、身の周りの人にも子供たちにも社会全体にとっても明るく良い影響を与えるに違いありません。

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